ニュースリリース

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2015年12月12日

株式会社フジテレビジョン

ハイブリッドキャストの4K動画配信新技術を活用し
地上波と4K動画同時配信の実証実験に成功

 フジテレビは、12月12日(土)4時40分放送の『4Kランドスケープ』において、放送と同時に4K品質のインターネット配信映像を同期再生する実証実験を実施しました。これは、ハイブリッドキャストに加わった新しい4K動画配信技術を用いた世界初の事例です。

 本番組では、対応受信機に4K切り替えボタンを表示(図1)、ワンタッチで4K配信映像に切り替えて視聴できるようにすることで、2K地上放送でありながら4K品質の映像を体験することができます。

図1:番組イメージ
図1:番組イメージ

 2014年12月、IPTVフォーラムは「ハイブリッドキャスト技術仕様」を改定し、ネット回線の状況に適応した動画再生が可能なMPEG-DASH方式に対応しました(※1)。現在、本方式に対応した4Kテレビの一部市販が始まっています。
 本実証実験では、MPEG-DASHによるスムースな4K配信とハイブリッドキャストの放送通信連携機能を活用。番組中に自動起動する連動ハイブリッドキャストアプリにより、放送と4K配信の同期を確立し、配信終了後にシームレスに放送に戻るようにしました。また、緊急ニュース発生時に放送からの信号により自動で放送映像に戻す仕組みも備え、対応した受信機では4K配信映像の視聴時にも放送同様に視聴者の安心・安全を損なわないようにしております。
 フジテレビでは、本技術を現行2K放送のままで4K品質の映像を提供する有望な手法の一つと考えており、IPTVフォーラムに参画すると共に、ハイブリッドキャストでの動画再生技術については、NHKと協力して研究・開発を推進して参りました(※2)。引き続き、将来に向けた本技術の確立を目指ざします。

※1)IPTVフォーラムが策定する「IPTVFJ STD-0013ハイブリッドキャスト運用規定2.0版」で追加された新しいVOD方式。
※2)NHKが開発したMPEG-DASHプレーヤ(https://www.nhk.or.jp/pr/marukaji/pdf_ver/396.pdf)を用い、フジテレビ開発の機能を追加して実現したものです。

番組概要

番組名称
『4Kランドスケープ』
放送日時
2015年12月12日(土)4時40分~4時45分
提供エリア
関東ローカル
放送内容
4K制作された番組『タイムトリップ軍艦島』『TOKYO ILLUMINATION TOUR』や4K撮影された映像素材『長崎教会群』のダイジェストをハイビジョン映像に変換して放送。
ハイブリッドキャストでのMPEG-DASH方式による4K動画再生に対応した一部のスマートテレビには、放送の2K映像に加え、インターネット配信される4K品質の映像に切り替えて楽しめる機能を提供しました(図2)。また、緊急ニュースが放送された際には、対応受信機を対象に4K配信映像から放送映像に自動で復帰させられる機能を備えました(図3)。
対象機種
ハイブリッドキャストによるMPEG-DASH方式の4K動画再生が可能なテレビの一部
(対象機種には番組中に「4K映像」への切り替え案内を表示)
目的
ハイブリッドキャストにおけるMPEG-DASH方式の動画再生技術の確立
技術ポイント
・対象受信機での切り替え案内表示
・放送映像と同期した4K配信映像の再生
・4K配信に適切した映像ビットレートと、ネット回線の状況に適応した動的な映像ビットレート
 切り替え
・緊急ニュース等が発生した際の4K配信映像から放送映像への緊急復帰(発生に備えた準備)や、
 番組終了時の自動復帰
・配信オリジンサーバや配信ネットワーク技術
図2:放送映像と4K配信映像の切り替え視聴イメージ
図2:放送映像と4K配信映像の切り替え視聴イメージ
図3: 緊急ニュース等での4K配信映像から放送映像への緊急復帰イメージ
図3: 緊急ニュース等での4K配信映像から放送映像への緊急復帰イメージ